ケニアの話を続ける前に,若干脱線。
表題のとおり交換留学の制度上の無意味さについて書きます。
無意味というと語弊があるかもしれませんが,ここでは単位と学問に対する「やる気」に焦点を当てます。英語の上達,海外でのコネ,自分のための勉強は不問とします。またあくまで制度に対する机上の空論ですので,全ての人に当てはまるわけではありません。あしからず(ちなみにここで扱う大学はオランダの大学です)。
日本の大学は少数の例外を除いて,1)4年間在籍,2)124単位取得を卒業要件としています。飛び級は基本的にありません。
他方オランダの大学は,多少の差はありますが,1)基本的に3年間,2)180単位取得が卒業要件です。
さてこの大学に日本人が留学すると,頑張って勉強したとして,年間で60単位を得ることができます。
60単位です。卒業要件のおよそ半分が1年間留学を頑張っただけで取れてしまいます。
仮に彼(女)が3年生の8月から4年生の6月まで留学する人がいるとします。彼(女)がそれまでの2年半フル単できたとして,およそ100単位前後とることになります。留学中「単位のために」勉強する必要はあるでしょうか。
また単純に計算して,1セメスターあたりの単位が30であり日本の卒業要件の4分の1である以上,1年間の留学中半分は遊んでられます。
インセンティブのあたえられない状況ですね。どうしようもないです。こんな状況でモチベーション保てという方がおかしい。少なくとも逃げ道だけはしっかりあります。
以上はあくまで制度上の話です。自分の将来を見据えて上記の甘い誘惑満載の制度にも負けず勉強する人もいるので,その観点から言えば交換留学が無意味かといえばそうではありません。
ただ,上記の膨大な単位をとり続けるコレクター気質な勤勉家ばかりが留学するわけではありません。日本から海外への留学生が減ったと言われている昨今で,シュウカツにばかり原因を帰している人達には,もう少し制度のギャップとそれを埋める日本の特待制度でも考えてもらいたいものです。日本での飛び級とか留学とマッチングさせると最高だと思うんですけどね。
Monday, August 29, 2011
Sunday, August 28, 2011
ケニア滞在記①インターンシップ先NGO
7月1日から8月19日にかけてケニアに行ってきました。立教AIESECの斡旋でSUFTAというNGOで5週間インターンシップをしてきました。ケニア滞在記第一回は主にSUFTAについてとそこで僕のやったことを書こうと思います。
SUFTA(Societies United For Transformation in Africa)はコロゴチョスラムを拠点としたNGOです。コロゴチョスラムで生まれ育った社会人・大学生を中心として2006年に設立されました。コロゴチョスラム住民の生活改善・人権意識促進のために活動をしています。
主に,コロゴチョ低所得層女性へのマイクロファイナンス,小学校に通う女子を対象に開放されたホームワーク用教室(背景の問題意識としては,ケニアでは新憲法が発効されたものの依然女性に対する差別は根強く,特にスラムでは男の子に勉強用の部屋をあてがうため女の子は勉強する場所がない),DVの調査,反HIV意識向上活動などです。
コロゴチョスラムについては,次回キベラスラムと一緒に書きます。
SUFTAは「サステナビリティ」を標榜し,活動資金源として自らローソク製作・販売のビジネスを立ち上げています。コロゴチョに住む女性(未亡人含む),HIV/AIDS患者等いわゆる社会的弱者の人達を雇ってビジネスをまわしています。ローソクは8本入り60ケニアシリング(以下1ケニアシリング=1円と換算してください。もちろん実際には多少ズレがありますが)で,1日300パッケージほど売っています。
ライデンでのファンドレイジングの経験と社会心理学の知識を買われ,僕はそのビジネス部門に配属されました。活動内容は①ローソクのマーケット拡大,従来はスラム内で売るだけでしたが教会やスーパーマーケットで売れるように働きかけました。②労働者の意識向上,モチベーションをあげるため販売員とミーティングを行いました。③イベントの企画,ローソクのプロモーションのためにファンドレイジングを試みました。
①ローソク販路
ケニアの役所に行ってきました。ケニアのスーパーマーケットでモノを売るにはKEBSという証明が必要です。これはKenyan Bureau of Standardという役所でもらえるのですが,商品をその役所に持っていって検査を受けなければなりません。5000ケニアシリング~10000ケニアシリング(モノによって変動する)を払う必要もあります。輸入品には輸入品用のKEBSマークがあり,それこそどんな商品にもついています。
ケニアには「クレジョ・マリア」というキリスト教から派生したカルト宗教があるのですが,そこではローソクをミサごとに非常にたくさん使います。色ごとになんらかの意味があり,例えば黒のローソクだと対象を呪う意味があります。ただ実際クレジョ・マリアの教会にも行ってきましたが,暑い日に長いローブを着ていた以外は全く普通の人達でした。
③ケニアの企業協賛
プロモーションイベントを行うためにT-シャツやP.A.システムが必要になったので,企業を回ってきました。ケニアの企業協賛事情は日本と比較して非常にオープンです。日本だとそれこそ何10本も電話をかけて1件当たれば良いといった程度(友人談)だそうですが,ケニアでは10本かけて4件当たります。少なくとも個人のメアドは教えてくれ,そこに企画書を送るよう指示されます。これは電話をする側がケニア人だろうが日本人だろうが同じ結果です。
僕は持ってきてたスーツを着込んで行ったのですが,社内にはどう見てもそこの従業員じゃないような恰好の人らがいました。おそらくNGO出身者で協賛を頼みに来たのでしょう。4社ほど回ったのですが,決まってその手の人がいました。企業が地方NGOなどを支えるという文化が築かれているのでしょう。ケニア最大の通信会社サファリコムは,専用のファンドを立ち上げ,月に1件団体に支援を出しています。
さて上記の活動の成果ですが,全くと言っていいほど上がりませんでした。一つにはケニアンタイムの(言葉は悪いですが)弊害があります。企業もNGOも企画の履行や約束を守るということをなかなかしないのです。文化を尊重しろ,といわれてもそれには限度があり,さすがに2週間くらい引き延ばされた時は怒りました。
過程は省きますがそんな感じで色々あり,7週間のケニア滞在のうち5週間をSUFTAで,2週間をLVCTで過ごしました。また住居に関してはSUFTA時代はコロゴチョスラムに,LVCT時にはキベラスラムに住んでいました。LVCTの話に移る前に,スラムに関して次回ざっくりと書きたいと思います。
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